Special Feature
2024.10.18
言葉を超え、コマを超えて癒やしを与えるエイリアン――SIMON個展「ALIEN NEURON」インタビュー
「可愛い」を伝達する「NEURON」
――今回の展示では、神経細胞を意味する「NEURON」が題されています。光源そのものを作品に用いたり、覗き込むファインダーとしてスチールオブジェクトを作ったり、視覚でのコミュニケーションをテーマにしているように思いました。
神経細胞っていうとややこしいですけど、作品と対面する人を繋ぐものを表現するのに「NEURON」を用いました。この間の伝達ということが、すごく大事だなって。写真で見ても十分伝わるんですけど、現物で見た時のちょっとした凹凸や泥臭さ、生々しさというのが僕にとって重要なのだと思っています。
――「エイリアンちゃん」自身の造形も、大きな瞳と触角が描かれていて、それ以外の要素はほとんど省かれています。一方で、強調された睫毛はキュートさを際立たせているけれど、本来的には感覚器官を守るものですよね。SIMONさんのお話を聞いた上で、「エイリアンちゃん」は、「感覚すること」について焦点が当てられたキャラクターなのではないかと思いました。
めちゃくちゃいいですね。ありがとうございます。僕もそういうことが言いたかったのかもしれません(笑)。
――本当ですか(笑)。
でも、人それぞれの捉えようではあるので、見たその人の感想が正解だと思っています。僕自身が言葉足らずなので、僕の中の正解は、シンプルに「可愛い」ということだけなんですよ。だから、「エイリアンちゃん」を前にした人が、最初に飛び込んできた印象で癒やされてくれたら僕は満足なんですが、そのうえで、いろんな風に解釈してもらえたら嬉しいですよね。
――今回はグッズ(ロンT、缶バッジ、サコッシュ、イラストカード)もありますが、キャラクターが「可愛い」からこそ身につけたくなるし、日常的に見ていくうちにその後の解釈も広がっていくかもしれませんね。
そうですね。身近な存在として「エイリアンちゃん」がいてくれたらいいなって思います。家の玄関やリビングなど、いろんなところに飾ってほしいなって。
実は今回、グッズを作ること自体がほとんど初めてでした。ずっと憧れはあって、手描きのTシャツは作ったことがありましたが、プリントされるのは初めてです。印刷してみて、すごく色が綺麗だなって思いました。
――屋台や提灯、スチールオブジェクトなど、今回は初めての挑戦が多いんですね。
今回は初めてだらけなので、大丈夫かなという不安はあります(笑)。でも、ちゃんと魂を込めて作っているので、あとは見る方にお任せしたいなと。
――最後に、今後に向けて考えていることがあればお願いします。
今後……予想できないですね。毎回予想できないんです。パブリックアートをやることも、今までの発想にはなかったし……でも僕自身は、今後も「エイリアンちゃん」を描き続けたいですね。その中で、いろんなことに挑戦できたらなと思います。僕自身も楽しみです。
Text by namahoge
ALIEN NEURON Photos by Naoki Takehisa
Artist photo by Kazuhei Kimura