Special Feature

2024.09.10

自分を認め、ありのままを見とめること――金村美玖写真展「みとめる」インタビュー

2017年にけやき坂46(現:日向坂46)の2期生としてアイドル活動を始めた金村美玖。グループ内での写真コンテンツ「みくふぉと」を公開するなど、一眼レフを手にした金村の姿はファンの間で知られていたものの、2024年1月には日本大学芸術学部写真学科の学生であることをはじめて公表する。そして2024年9月、アイドルとして多忙をきわめる中、自らのプロデュースによりセルフポートレート作品を撮り続けてきた金村の初の個展「みとめる」がNew Galleryにて開催される。写真家デビューを果たした金村に、これまでの写真歴や撮影旅行のエピソード、自らを撮り続ける意図のほか、「みとめる」のタイトルに込められた思いを語ってもらった。

「写真学生/アイドル」二足のわらじ

―まずは写真撮影を始めたきっかけについて教えてください。

金村美玖:中学3年生の時に、初めて中古の一眼ミラーレスを買ってもらいました。当時は世間的にも友達のあいだでもInstagramが主流になっていて、写真を撮ること自体すごく身近なものだったんです。最初はきれいな写真が撮れたらいいな、くらいの気持ちだったと思います。

でも、それからクオリティを求めるようになって。私もともとすごく負けず嫌いで、完璧主義で、自己主張が激しめで……本当に扱いづらい中学生だったと思います(笑)。だから、勉強でも習い事でも趣味でも、やるなら絶対一番でいたい気持ちが強かったんですよ。べつに何気ないようなSNSですけど、その中でも一番素敵な状態でいたい、という気持ちがあったんだと思います。

―それからアイドル活動と並行して日本大学芸術学部写真学科に入学されています。進学するという決断は親からの希望だったと他のインタビューで仰られていましたが、いろんな選択肢があるなか、写真学科を選んだのはどうしてでしょうか?

金村美玖:アイドル活動をはじめてからはダンスと歌に専念していました。でも、いろんなお仕事をさせていただく中で、心から楽しいと思えたのが撮影だったんです。グラビアの仕事がすごく好きで、撮られるのも好きだし、カメラマンさんとお話するのも楽しくて、だんだん興味が湧いてきて。

それで大学受験をどうするかという時に、グループ(日向坂46)に還元できて自分も成長できる場所として、写真学科に入ろうと思いました。

ー「グループに還元できるように」と受験に臨むというのは、なかなか他の学生では経験しないような状況だと思います。

金村美玖:そうですね。その時には既に軸が日向坂46にあったので。演技や舞台などの他分野で活躍する先輩方の姿も見ていたので、自分も日向坂46の名前を外側に知ってもらうために何ができるかな、というのは考えていたと思います。

ー写真学科での学びと並行して、「みくふぉと※」はじめグループ内で撮影する実践の機会があるというのもユニークな状況ですね。

※金村さんのオフィシャルブログやInstagramに投稿される写真コーナー

金村美玖:たしかに、ことあるごとにメンバーを撮るルーティンが作れたのは大きいです。最初に「みくふぉと」と名付けたおかげです。写真を公開すると、メンバーだけでなくファンの方からも反応をいただけるじゃないですか。その中で「こういうのが好き」と褒めてもらったり、キャッチボールが生まれて、フィードバックがある。被写体になってくれる子たちもたくさんいるし、やっぱり、自分を成長させてくれるような本当にいい環境にいると思います。

Exhibitions

金村美玖 写真展「みとめる」
2024.9.10 tue - 2024.10.6. sun