Special Feature

2026.03.09

マテリアルを通して世界と向き合う4作家、その選定とキュレーションの舞台裏――入澤聖明&青木彬インタビュー

同時代性の構築と解体

──グループ展の設営は、どのように進めていったんですか?

青木彬:普段、芸術祭やアートプロジェクトに関わることがほとんどで、屋外が本当に多いんですよ。ホワイトキューブでの、しかもグループ展がすごく久しぶりだったんですよね。でもアーティストたちはすごく柔軟に対応してくれました。全員が新作だけで構成しているわけではないんですけれども、テーマの話をしたところ、みなさんよく解釈してくださいました。

設営中もアーティスト同士でどのように照明を当てていこうかとか、お互いの作品をどうよく見せるかという議論や作業が自然に行われていました。同じような世代の作家たちが協業したグループ展として、グルーブ感と一体感が生まれていたように思います。

入澤聖明:藤田さんの窓ガラスに貼ってある作品は、彼女のコンセプトの大事なところを占めるものでもあるし、代表作の一つでもあるので、アーティストと共犯関係というか、これができたらかっこいいよねと。New Galleryの方に相談しながら調整してもらって、ベストを尽くすということをやったのが印象的でした。

──窓ガラスへの貼り付けは技術的にも難しかったと。

入澤聖明:窓ガラスに貼り付けると跡が残る可能性もある中での調整でしたね。私のスタンスとしては、アーティストにやりたいことを言われた時に、まず「無理ですね」とは言いたくないんです。どこまでできて、どこからが難しいのかを模索していくのが自分のポリシーでもあるので。

──最後に、展示をご覧になる方へのメッセージをお願いします。

入澤聖明:皆さん四名とも本当に面白い作品、素晴らしい作品を作られているので、しっかりご覧いただきたいなって思います。個人的に面白かったのを言うと、藤田さんの窓に貼ってあるやつが、時間経過とともに、やっぱり紙なので湿気でくるんって丸まってくるんですよ。会期中に様相も変わってくるだろうし、ちょうどお昼ぐらいだと太陽の光がすごく差し込んで、独特のグリッドが室内の葭村さんの作品にも影響を与えていたりします。ここでしか見られない空間に仕上がっている気がしているので、時間経過の様子も含めてご覧いただけるといいんじゃないかなと。

青木彬:最近で言うと、たとえばコロナ禍一つとっても、あの時期に小学生だったのか、中学校に入学したのか、大学に入ったのかで、すごく大きな差があるという話を聞いたことがあります。SNSを通じた社会の分断もある中で、世代を語ること自体がどんどん困難になっている側面もあるんじゃないかと考えました。

一種の同時代性をテーマにした展示をしておいてなんなんですけど、世代ごとの特徴はありながらも、一方では分断やわかりあえなさに直面させられているのが現代でもあると感じています。色んな年代の方々が見に来てくださることを期待しますけど、作品を通して時代のあり方についても思いを巡らしていただけたりすると、展覧会をやった意味があるかなと思っています。

Text by Tomoya Ohta
Photos by Keiko Chiba

Exhibitions

「Tell me why」
2026.02.27 fri - 2026.03.15 sun