Special Feature
2026.05.19
描かれながら息をする――窪塚愛流個展『MeMonsters』インタビュー
埃の被った部屋からギャラリーへ
―それからガラス作品について、これは展示にあたり、愛流さんが「ぜひやりたい」と提案して実現されたそうですね。
窪塚愛流:ガラスはずっとやりたくて。ガラス吹くのって、めっちゃ楽しそうじゃないですか。ちっちゃい時からやりたいなと思っていたのですが、なかなか機会がなくて、「いつかやりたいこと」としてずっと心にあったんです。今回個展をやらせていただけるとなって、挑戦してみたいことを聞かれ、即答でした。

その後埼玉県にあるガラス工房さんに行って、イチから教えてもらって。念願のガラスがやっとできたのですが、めっちゃ難しいんです。溶けたガラスを綺麗に切るのが難しくて、意図してない形になっちゃう。魚のイメージだったり鬼のイメージだったりで作ろうとしても、結局全然違う形になったりもしました。でも、ミスった形でもいいなって。
―ミスを活かすのは、絵を描く時と同じですね。
窪塚愛流:だからこれも見る人によって違うものに見えると思います。絵もそうなのですが、どの作品にも名前を決めていないんです。妹が見たらどう思うかな、とか、祖母にあげたらなんて言うかなとか、逆にみんなに想像してほしい。このガラス作品のゾーンはずっとやりたかったことの結晶みたいな感じです。

―いざ個展という場ができて、念願のガラス作品に合わせ、原画が壁一面にプリントされました。この空間への感想はいかがですか?
窪塚愛流:やっと言葉が発せられるようになりました(笑)。最初見た時は嬉しすぎて言葉が出なくて、「この感情は何なんだろう、僕こんな感情になったことないぞ」って。こうやって見ていると、描いた瞬間をすごく思い出すんです。それぞれに記憶の詰まった作品が一堂に会すのを見ると、感無量です。絵を描いていてよかったなって。
―ご自身にとってもサプライズだったんですね。
窪塚愛流:そもそも個展をやるつもりで描いたわけじゃないので。「こんなに輝けてよかったね」って思うんです。1年前に描いた絵もあるし、2年前に描いた絵もあります。家に帰ればまだまだ押入れに眠った絵もたくさんある中で、今回は選抜しています。
―愛流さんの家には他にもいろんな生き物がいるんですね。
窪塚愛流:一度描いたものは捨てないんです。たとえば被写体があって、この世界にもともと存在する絵を描いたとしたら、全然捨てることもできるのですが。この絵は、新しく描いている中で新しく生まれてきた子たちだから、捨てられないです。
僕って、めっちゃ思い出を残したいタイプで。撮影の時の写真とかもめっちゃ見返しちゃう。今回展示している絵には日付を描いているものも多いのですが、やっぱりそれは振り返えることができるようにしています。
それが僕の部屋でずっと眠っているんじゃなくて、この場に集まって、こんなに輝いて見えるのが嬉しくて。

―これまで俳優やモデルの活動がメインだったと思いますが、アーティスト活動については今後どのように考えていますか?
窪塚愛流:えっ、僕、アーティストってことになるんですか?
―(笑)。
窪塚愛流:まあでも、絵を描くことは「僕自身」みたいな感じなので。アーティストって言われるとすごく嬉しいですが、調子乗っちゃうので(笑)。やっぱり好きなものは一生好きなまま、描き続けたいなと思います。
たぶん、これからも変わらないスタイルで描くと思います。型にはまらず、自由な時に、好きに描きたい。だから今回の個展は、「作家なんだよ」というよりは、「愛流は絵も描くんだよ」っていうつもりです。
Text by namahoge
Photos by Naoki Takehisa




